美人過ぎる○○

 今年になっても相変わらずインターネットのヘッドラインで男心をくすぐり続けているキーワードがある。「美人過ぎる○○」や「美しすぎる○○」だ。

 会社のパソコンでヘッドラインにこの言葉を見つけた瞬間、仕事中にも関わらず思わずクリックして画像を確認した輩も多いことだろう。

 記憶に残っている最初の「美人過ぎる」は青森県八戸市議の藤川ゆり議員である。そして最近では、アメリカで話題になったロシア人スパイのアンナ・チャップマン。彼女たち以外にも数多くの「美人過ぎる○○」がヘッドラインを飾り、男達の仕事を邪魔してきたのだ。

  しかしどうしてこうも男心をくすぐるのか? 美人過ぎるほどの美人ならばインターネット上に画像がゴロゴロと転がっている。町中にだって相当な美人は数多い。それでもなお、上司から急ぎの仕事を命じられているにも関わらず、思わずクリックして本当に美しいのかどうかを確認したくなるのはなぜか。 

 そこにはある心理が働いているのではないだろうか。そもそも「○○過ぎる」という表現には誇張の要素が強い。だがその誇張だけに引っかかっているわけではないだろう。なぜなら、強過ぎるガンダムや大きすぎる鯨などという当たり前な使われ方なら、ほとんど興味をそそられないはずだからだ。スカートが短すぎる女子高生ならまだくすぐられるが、それは単なるスケベ心だからここでは例外とする。だが「美人過ぎる○○」にはスケベ心とは違う何かが働いているはずだ。 

 その昔(いや、一応今でも現役で活躍しているが)SPEEDというユニットがあった。ダンスが卓越していて、歌唱力、声量ともに聴くものを圧倒できる実力派の女性4人組。同じ頃、MAXという同じく女性4人組のユニットがあり、こちらも歌って踊れる(しかもセクシー系)のが売りだったがもうひとつパッとしなかった。その差は、SPEEDが女性というより女の子、いや、もっと言えば少女だったからだ。

 メインボーカルの島袋寛子はデビュー当時なんと12歳の小学6年生だった。その他のメンバーも中学生。この若さでこの歌唱力とダンスのキレの良さ。まさに「歌もダンスも上手すぎる小学生」だったのだ。このギャップの激しさに世間は驚愕し、感動し、注目したのだ。

  議員先生と言えば髪の毛をぺたっとなでつけたようなオッサンや、パーマ頭のおばちゃんを想像してしまうところに持ってきて、あの藤川ゆり議員の若さと美しさ。このギャップに世の男性は酔いしれたのだろう。そう、ギャップこそ人の感情を激しく揺さぶるファクターなのだ。スパイだって非日常的なもので日本人には馴染みが薄い。なのに今時スパイ? しかも女? さらに美人?? えーーーっ! とかぶりついてしまうのである。そう言えば、ギャップを失ったSPEEDは今、地味な活動をしているようだが藤川ゆり議員も議員を辞めればただの美人というわけだ。

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